兄ちゃんは懐かしそうに星祭りの様子を眺めていた。


そこに昔の自分を探したのかもしれない。


「兄ちゃんっ…!」


俺は出店を抜けて駆け寄った。


「おお。宏!お前,店番は良いの?」


「うん。琢磨いるし。」


俺は琢磨をちらりと見た。


その視線に気付いたのか,琢磨が兄ちゃんに向かって会釈をした。

兄ちゃんも笑ってそれに応じる。

「今年,人多くない?」