「じゃあまたねーっ♪」


と有理亜は人混みの中へと姿を消した。


言葉の意味が理解出来ずにいる俺に
琢磨が肩をゆすった。


「なに?どうした?」


「ほらっ!あそこ!」


「えっ?どこ?てか何?」


琢磨は俺達の目の先を指差した。

そこには


「あっ…!」


兄ちゃんが立っていた。


暮れかけてきた夕日を背にして。