「溝内。久しぶりだな。」


顔を上げると


「…久しぶりっす。」


そこには藤本さんが立っていた。

「宏ー,どうした?」


「あ,悪ぃ。先に戻ってて。」


琢磨は「わかったー」と言いながら横目で藤本さんを見た。


琢磨がチャリに乗ったのを確認したあと藤本さんに声をかけた。


「最近顔出せなくてすみません…」

藤本さんは何も言わない。


ただ俺の顔を見ていた。


「それ…」


「え?」


「それなに?」