あと,言わなければいけないような気がして


俺は咄嗟に口を開いた。


「あの…兄ちゃんが持ってた空の写真集。


あそこに添えられてた『あなたを忘れない』ってメッセージ…


あれは兄ちゃんに向けられてると思う。」


「…そんなわけ…」


「あるよ!ぜってぇーある。」


だって…写真の中の二人は本当に幸せそうだった。


簡単に忘れるわけがない。


だって


「高校の思い出は一生もんなんだろ?」


「えっ…?」


「兄ちゃん言ってたじゃん。」


兄ちゃんは俺のほうを見た。