俺の怒鳴りにも近い声は


二人しかいない部室に響き渡る。

岩崎瑠璃は目に涙をためながら


部室を出て行った。


俺は…何をやってるんだろ…


呼び止める資格なんかない。


そんな必要もないか…


机の上に広がる


兄ちゃんの高校時代の写真。


きっと…岩崎愛璃が大事にとっといたんだ。


そっと写真を手に取ると


写真の中の少し幼い兄ちゃんは


やっぱりすげぇかっこいい。


「全然…かなわねぇ…」


目の前の視界がぼけて


頬を涙がつたった。