重たい金属製のドアに鍵を差し込む。 ―ギギギギギ… 誰もいない学校には いつもよりも鈍く響いた。 目の前に広がる子供部屋のような 古着屋のような甘い臭いが立ち込める… 写真部の部室に俺は来た。 明かりがついている。 ここには…いないな…? 「溝内くん…?」 「えっ…!」 奥の部屋から,岩崎瑠璃が優しく俺を呼んだ。 「こんばん…は…」 「こんばんは。」 岩崎瑠璃は動揺する俺に 優しく微笑んだ。