「離してよっ…!」


そんな言葉も力なく聞こえる。


やっぱ俺って鈍感だ。
女の子の気持ちを理解出来なさすぎだよな…


「ごめん,ごめん…今のは俺が悪かった。かなり…」


美幸が潤んだ瞳で俺を見る。


「映画行こ?…な?」


俺がそう言うと


美幸が珍しく素直に頷いた。


ちょっと安心。


美幸の手を引き映画館へと向かった。


「…宏。この手なに?」


「いーじゃんいーじゃん。
保護者的な?」


「…ぷっ!保護者はこっちのセリフ!」


「かもなっ。」


何年ぶりだろ…


久々に二人で笑い合った気がした。