これは…何かのチケットか?


「なに…これ。」


「私の見たい映画のチケット。
これでチャラにしてあげる。」


「…はっ!?俺行くとかまだ言ってねーじゃんか!」


「土曜の10時に駅の改札で待ち合わせね。じゃっ!」


そう言うなり美幸は小走りに教室に向かった。


「ちょっ…美幸!?」


俺が叫ぶと


「絶対だからねー!!」


俺の顔も見ずそう言った。


お…俺は一体どうすれば?


今はこのペラペラな一枚のチケットに


めちゃくちゃな重みを感じる。