しっかし無視されてるのに聞くのはどうなのかね?


いやぁー…リアルにきついっす。


「宏っ!!」


―ん?


後ろから聞こえた声に振り向く。


「美幸!」


そこには肩で息を切らす美幸がいた。


「お前…わざわざ走ってきたの?」


「わ…わざわざとは何よ!失礼ね!」

そう言って美幸は息を整えた。


「宏…私の誕生日忘れてたでしょ。」


…げっ!!やっぱ…怒ってるよな?


「あーいや。その日は都合が悪くてですね…」


「なに敬語になってんのよ!!
……これ。」


「へっ?」


「だからっ,これ!!」


美幸はぶっきらぼうに俺の手に紙を握らせた。