「俺の好きな人は…2個上の先輩だった。写真部のな?」


「あ!もしかして有理…栗原先輩が言ってた人っすか?」


「…え?」


驚いて俺を見る。


「あのー…なんか藤本さんは好きな人がいたから入ったんだよ的な…」


「ああ,あれね。」


そう言うとまた前を向いた。


「まぁ…合ってるな。」


「てことは,藤本さんが高1の時に3年生の人ってことですよね?」


先輩に恋してたんだ。


…って俺と同じじゃん!


「そうだよ。入学式の時,初めて出会った。今でも忘れない。
あの日のことは…」


俺達の間に微かに風が通り抜ける。


藤本さんの髪が揺れた。