「そんなビビんなよ。」


「ビビりますよ!!だって…愛してるとか…そんな…」


「興奮しすぎ。」


藤本さんは涼しげな顔で俺を見た。


だってさ!?
愛してるとか…藤本さんがだぞ?

ビビるじゃん!!
このクールな藤本さんが……


…ん?でもなぜ過去形?


「愛してた…って…今は?」


「もういないから。」


「へっ?」


いない…って?


「もう…結婚しちまった。」


「けっけっ…結婚!?」


「ああ。もう…手に届かねぇ…」


いつの間にか俺達は公園の前まで来てて


藤本さんは何も言わず


近くのベンチに腰掛け


ゆっくり目を閉じた。