それは突然の事だった。 いつもみたいに優くんを連れて、智也さんの職場に遊びに行った時の事だった。 「じゃあ、僕はちょいとお仕事してくるから。良い子で待っててね~」 急患が来たらしく、智也さんはお仕事に戻ってしまった。 お兄ちゃんも櫻田先生もお仕事中で、私は優くんと2人で休憩室に残された。 「あ、お菓子だ」 ふと、テーブルの上にクッキーの缶が置いてあった。 蓋を開けると中にはおいしそうなクッキーが。 多分、櫻田先生の非常食だろうな。