私は崩れるようにしゃがみこんだ。



さっきまでの黒い空間はなくなり、今はしっかり応援の声が聞こえる。





立ち上がろうとするけれど、膝に力が入らない。




俊介は、私の元へ駆け寄ってきて私と同じようにしゃがんだ。



「なんだよ…あの技…」




俊介は悩み込むように顔を膝に埋めた。




私は何も答えられなかった。




「美帆にどんどん置いてかれる気がする。美帆は……美帆でいてくれ…!!!!」




俊介??



私はここにいるよ?

星闇にも、舞蝶にもなるけど、今の私は美帆。




変わるのは喧嘩の時だけ。




「俊介。この技については…完成したらちゃんと話すから・・・・・。
それに、私は私でしょ?」




違う。さっきは私じゃなかった。自分の中には三人の自分がいる。




「終わったあと…俊介と勝負したいって思ってたんだけど、この膝じゃ無理かな…」