「まぁそう言わずに少しだけ…」

乙女はそう言って。

「修内太」

意外にも俺に声をかけてきた。

「骸骨どもとの戦いの最中に言った事、覚えているか?」

「…ああ」

俺は頷く。

「…ならばいい。私は兵を見る目には自信があってな…修内太、お前はいい守り手になる…いい弓兵にもな。職に困ったら、是非女神国に来るといい」

「遠慮しとくよ」

乙女の言葉に俺は苦笑いし、乙女も柔らかく微笑んだ。

…彼女は次にメグの方を見る。

「言い忘れたが…色々迷惑をかけた」

「止してよ。魔女に頭下げちゃあ一国の主としては問題あるんじゃない?」

フン、と。

メグが鼻を鳴らす。

照れてる時の仕草だ。

「それから…決着、つかずじまいだったな」

「ああ…そうね。まぁ、あのままやってても私が勝ってたけど」

「ほぅ…面白い」

乙女が少しカチンと来た様子で話に食いつく。

「王宮にいい鍛錬場があるのだ。是非来い、明日にでも来い」

そしてその言葉に。

「ならば勝った方に俺への挑戦権を与えてやろう」

何故か紅までもが食いついていた。