「あ」

「やっと目が覚めたか」

メグと乙女が俺の顔を覗き込んでいる。

「……っ…ガーラはッ!?」

慌てて起き上がる俺に対し。

「もう事は全て終わった」

近くの木にもたれかかって腕組みしている紅が言った。

「お前が呑気に居眠りしている間に、お前の相棒が反則技を使ってな…仕事が済んだので、俺と乙女はメグに治癒魔術とやらで治療してもらったところだ」

「…そうか」

俺はホッと溜息をつく。

…何やらデカイ穴ぼこだらけになっている校庭やら、石の巨人が仁王立ちしている光景やら、ツッコミどころは満載ではあるものの、とりあえず全員無事だったという事だけでもよしとしよう。

「なぁ、四門メグ」

乙女がメグに言う。

「ガーラは…どうなったのだ?」

その表情は、わかっていながら敢えて答えを問いかけているような色が窺えた。

「あんたの考えている通りよ」

メグは真顔のまま言う。

…乙女は視線を下げた。

そんな彼女の心中を察したのか。

「いらぬ口出しはせぬ事だ、乙女」

腕組みしたまま、目を閉じて紅が言った。

「この時代、この世界、この者達の戦いというものがある。生殺与奪はこの世界の人間の決める事だ…俺達が干渉すべき事案ではない」