紅の笑い声が気に障ったのか。

「おのれ…おのれおのれおのれ!!」

ガーラは気でも違ったかのように自らのゴーレムをけしかける。

何とか私のゴーレムの腕を振りほどこうともがいてみるものの。

「無駄よ…ガーラ」

私は冷徹な表情のまま言った。

事実、私のゴーレムは力負けするどころか、ガーラのゴーレムの泥で出来た腕をたやすく引きちぎり、掴まれていた乙女を解放する。

そして。

「魔女の戦いは手の内の見せあい…そして手の内を見せた以上、何らかの処置を施す…記憶を消すか、命を消すか…ガーラ、貴女も魔女ならわかるでしょ…?」

静かに告げる私に対し。

「黙れぇええぇぇえっ!!」

ガーラのゴーレムが殴りかかってくる。

…私は小さく息をつく。

チャンスは与えたんだからね。

恨まないでね、ガーラ。

…目を閉じ、指を鳴らす。

その合図に応えるかのように。

「ぎ…ぎゃあぁあぁああぁあぁぁあぁぁぁっ!?」

私のゴーレムはその豪腕を遺憾なく発揮した。

左右の拳を次々とガーラのゴーレムに叩き込み、泥の体の再生が間に合わないほどに原型がなくなるまで破壊を続ける。

…その凄まじい破壊の真っ只中に、ガーラ自身もいた。

最初の一撃で空中に放り出されたガーラは…。








最早死体すらも判別できないほど、粉々に打ち砕かれてしまっていた…。