俺はすぐに行動に移る。

魔槍を逆手に持ち替え。

「ガーラァアァァァァッ!! 」

ガーラ目掛けて全力で投擲しようとする!

しかし俺とした事が、焦っていたのか投擲に気をとられすぎていた。

突然頭上に迫る黒い影。

俺は。

「ぐはっ!!」

振り下ろされたゴーレムのもう片方の手によって叩き伏せられた。

…一体どれ程の威力があるのだろう。

まるで土砂崩れにでも巻き込まれたかのような重圧。

ゴーレムがゆっくりと手を上げると。

「…ぐ…がはっ…」

流石の俺も、地面に無様に横たわった姿を晒す他はなかった。

さっきの一撃で何箇所か骨が折れたらしい。

立ち上がる事も儘ならぬ。

「ぐ…紅っ…うぁああぁあぁぁっ…!」

苦痛にうめきながらも、乙女が俺の身を案じる。

だが。

「小娘が。他人の心配をしている暇はなかろう?」

ガーラがゴーレムに指示を与える。

同時にゴーレムは、乙女を握り締めたままの手を大きく振り上げた。

「このままゴーレムの全力で地面に叩きつけてやる…轢かれた蛙のように、地面に無惨な血の華を咲かせるがいい」