ゴーレムの攻撃ばかりが有効で、私達には攻め手の一つもない。

鈍重だがとてつもない威力のゴーレムの攻撃を回避しながら、私は悔しさを堪えるしかなかった。

と、その時。

「乙女、紅」

突然。

ここまで無言だった四門メグが口を開いた。

「あのゴーレムの攻撃、かわし続けられる?」

「……」

私と紅は顔を見合わせる。

「かわすだけならばな」

「そう…いい答えね」

ニッと笑みを浮かべ、四門メグはいきなり。

「!?」

私のカタナを右手で掴んだ!

白い手に、刃が食い込む…。

「ば、馬鹿!何をしている!?」

強引に彼女の手を振りほどく。

…四門メグの手からは、相当量の血液が流れ出している。

「魔方陣…か?」

彼女の行為を見ていた紅が、ふと呟いた。