泥の巨人…ゴーレムはガーラの命令通りに私達を見据える。

「さぁ、遊んでおやり…簡単に殺すんじゃないよ。掴んでジワジワと握り締めてやるんだ…全身の骨が砕けるのをしっかりと認識できるようにね」

ゴーレムの肩の上でガーラが笑った。

同時に。

「っ!!」

ゴーレムは攻撃を開始する。

攻撃といっても、その手で私達を捕まえようとするだけ。

ガーラの言う通り、この巨人にしてみれば『遊ぶ』程度だろう。

しかし。

獅子にじゃれ付かれた人間が命を落とすように、ゴーレムに捕まった人間は簡単に握りつぶされてしまう。

ましてやゴーレムはじゃれ付いている訳ではない。

ガーラの命令により、明確な殺意を持って私達を捕らえようとしている。

しかも、嬲りあげた上での圧殺…!

想像するだけで寒気がした。

絶対に捕まる訳にはいかない。

四人がそれぞれ散って、ゴーレムとの命懸けの鬼ごっこをする事になった。

…悔しいが、相手はあの巨体だ。

恐らくはゴーレムを操っているガーラを倒せば停止するのだろうが、奴は巨人の肩にいる。

あの位置にいるガーラに刃を振り下ろすのは至難の業だった。