最後の乙女の力みすぎの一撃はいただけないけど。

修内太、紅、私、そして乙女。

即興としては申し分ないほどの連携攻撃が決まり、ガーラの無限召喚の魔方陣は見事破壊された。

私だけでも、乙女だけでも、勿論紅や修内太だけでもこうはいかなかった。

それぞれの持ち味を生かしたチームプレイ。

「やるじゃない、あんた達」

私が思わず呟くと。

「フン」

「誰に物を言っているのだ?」

紅と乙女が、それぞれの反応で会心の笑みを浮かべた。

…さて。

私は悔しげに顔を歪めるガーラに視線を向ける。

「これで手詰まりね。謝るんなら、ここにいる英雄様二人をなだめてあげるわ。命だけは助けてあげてもいいけど?」

髪を片手で払いのけ、余裕の表情でガーラに言う。

こんな言い方はしているものの、事実上の降伏勧告だ。

しかし。

「       !」

フワリと。

ガーラは『飛翔』の魔術で中空に舞い上がる。

「逃がすか」

紅が誰よりも速い反応で間合いを詰めて槍を突き出すものの、一瞬間に合わない。

そのままガーラは飛翔して校庭の方へと逃げる。

「見苦しい真似を!」

『強化』の魔術を施しているので躊躇はしない。

乙女、紅が屋上のフェンスを乗り越え、校庭へと飛び降りた。

私と修内太も後に続く。