「!?」

突然。

幾筋もの閃光がスケルトンの軍勢の背後から飛んできた!

その閃光は凄まじい貫通力で骸骨どもの背中を、頭を、次々と貫いていく!

それでも尚勢いを殺す事なく。

「うわっ!?」

俺の頬を二度三度と掠めていく。

俺は思わずのけ反り、そのまま後方に転倒してしまった。

…閃光は尚も止まらない。

スケルトン達を貫いていたと思った閃光が、今度は線となって軍勢を鋭く斬り裂く!

乾いた音を立てて、白骨の化け物達は床に散らばった。

先程召喚されたばかりの軍勢も合わせて、全部で百数十。

それ程の数のスケルトンが、瞬く間にして斬り散らされていく。

…最後に残っていたのは。

「物足りぬ。もう終いか」

赤い外套を身につけた長身の槍兵だった。

「お…おい、お前!」

俺は立ち上がる。

そいつがメグの召喚しようとしていた奴だというのはすぐに理解できた。

「何しやがる!もう少しで俺まで刺されるとこだったろうが!」

味方に殺されるなんて全く笑えない。

そう思って怒鳴ってやると。

「ほぅ、そうか」

その槍兵…紅はニヤリと笑う。

「間抜けにも棒立ちだったのに死なずに済んだとは…運が良かったな、小僧」