「あんた私達の手助けはしないって言ったじゃない!!」

混乱する女。

「何だ、迷惑なのか?」

意地悪く笑って言い返すと、女はグッと言葉に詰まった。

「な、何よ…私の事を試した訳?」

「まさか。本気で見捨てるつもりだったさ」

フン、と。

俺は鼻で笑う。

「だったら何で!?」

大声を張り上げる女に。

「それ、そこの女」

俺は槍の穂先で、骸骨の群れと戦う銀髪の少女を指した。

「お前の気性は、どこかあの女と似ている」

そう言って。

「お前の気性は俺好みだ。乙女がいなければ口説いていたやも知れぬ」

平然と女に告げてやる。

「な…ななななな…」

女の顔が、見る見るうちに赤く染まっていった。

何だ、こういう時の反応まで乙女そっくりだな。

「私はあんたなんか嫌いよっ!あんたに口説かれるくらいなら修内太に口説かれる方がマシよっ!!」

照れ隠しなのか苛立ちなのか、女がわめき散らす。

「それはあそこで乙女と共に戦う少年の事か?ふむ…わかった、伝えておいてやろう」

「わーーーーーーーーっ!!言うなあぁあぁぁあっ!!」

騒々しく叫ぶ女を尻目に、俺はビュンと槍を振った。