たった三人ではあるものの、そのうち二人は稀代の魔女にヴァルキリーの異名を持つ騎士だ。

召喚された不死の軍勢は、あっという間に全滅する。

しかし。

「おや…おかわりをご所望かい…?」

嘲笑うかのようなガーラの言葉と共に、魔方陣からまたしてもスケルトンの群れが這い出してきた。

その数は先程の倍。

恐らくは百は下らないだろう。

これじゃ魔方陣に近づく暇もない。

「くっ…」

俺は思わずたじろく。

確かに一体一体の強さは大した事はないが、こっちの魔力や体力には限度がある。

いずれは消耗し、対抗しきれなくなる。

そんな俺の隣で。

「少年」

乙女が呟いた。

「私と二人だけで、あの軍勢にどのくらい持ち堪えられる?」

「え…?」

俺は乙女の質問の意図する所が理解できなかった。

すると今度は、乙女はメグに向かって言う。

「四門メグ。お前、召喚魔法とやらは使えるのか?」

「は?…まぁ…時間さえくれれば、大抵のものは呼び出せると思うけど」

「そうか」

メグの返答に満足したように、乙女は笑みを浮かべた。

「これから私の言う助っ人を呼び出して欲しい。お前は召喚に集中してくれ。その間は私とこの少年で奴らを引き受ける」