後を追って跳躍した私が辿り着いた場所は、遮るもののない屋上だった。

…冬の冷たい風が、熱くなった私の頬を撫でる。

「あんたみたいな凶暴な女が校舎内で暴れまわったらたまんないからね」

目の前には四門メグ。

その長く美しい黒髪を片手で払いながら、フフンと鼻で笑っている。

そうか…逃げていたのではなく、ひらけた場所に移動していたのか…。

「この建物の心配をしていたのか。凶悪な魔女らしからぬ行動だな」

皮肉めいた口調で言ってやると。

「ハン」

自嘲するように四門メグは笑った。

「悪者呼ばわりは馴れっこよ。そういう挑発は効かないわ」

「そうか」

軽く笑みを浮かべ、カタナの刃を返す。

そうだな。

このような舌戦は『あの男』の得意とするところ。

私には私の戦い方がある。

「ならば!」

私は床を踏みしめた。

「…!!」

四門メグも前傾姿勢に構える。

「いざ!」

「尋常に!!」

私と魔女は同時に踏み出した!!







「勝負!!」