私は何度も使い魔…鴉を飛ばし、四門メグの身辺を調査した。

流石は稀代の魔女。

使い魔が数百メートル先に近づくだけで、何度も奴の魔術によって消し飛ばされてしまった。

かといって奴の隠れ家に近づいた所で、隠れ家に施された強力な結界によってやはり同じ結果となってしまう。

一体何十羽の使い魔の鴉を失った事だろう。

根気よく調べた結果、ある事実が判明した。

四門メグは、その呪眼の片方を宮川修内太という少年に移植してしまっているという事だった。

…あの女は阿呆であろうか。

最高級の魔術品、呪眼を人間のガキ如きに移植してしまうとは。

三流の魔術師あたりならば、ここですぐに宮川修内太を狙って呪眼を奪い取ろうと考える所だが、私は違う。

宮川修内太の側には、常に四門メグが存在するのだ。

彼女とて呪眼の価値はよくわかっているらしい。

当然呪眼欲しさに宮川修内太を狙ってくる者がいる事も承知済みだ。

結果として、呪眼を奪うのならば四門メグとの戦いは避けられない事になる。

…ならば。

私は一計を案じた。

要は、私が戦わなければいいのである。

私の意のままに動く忠実な、そして強力な下僕。

その者に戦わせれば、私は労せずして呪眼を手に入れる事ができるのだ。