魔女が階段に取り付き、駆け上がる。

そこへ。

「逃げるな!」

横薙ぎの刃を振るう!

「ひゃあっ!」

軽く跳躍して刃をかわした四門メグは、そのまま階段数段を飛び越えて踊り場へと着地した。

捉え損ねた私の剣は、階段数段分をゴッソリと抉り取る。

「あーあ!階段壊しちゃった!器物破損ね!」

尚も上へと逃走しながら叫ぶ四門メグ。

「ならば尋常に勝負せぬか!」

「御免よ!あんたみたいな怪力女!」

「か…何と無礼な!」

私も勝手の違う戦いに、いつも以上に熱くなっていた。

その場から跳躍し。

「!?」

一気に上の階へと飛び上がる!

流石の四門メグも目を丸くした。

しかしその目が一度閉じられたかと思うと。

「な!?」

右の瞳が…異常な変貌を遂げた。

縦長い蛇のような瞳孔。

金色の輝きを灯す白目。

その瞳を見た瞬間。

「うっ…!」

私の足が…いや、足だけではない。

全身が石のように重くなった。

金縛り?

何にせよ、何かの魔術を施されたに違いない。

これが…呪眼という奴か…!