銀髪の少女は私を真っ直ぐな眼差しで見据える。

「故あってこの世界に召喚された。女神国女王、乙女という…戦乙女などと呼ばれているがな」

「へぇ…で?その乙女さんが何の用かしら?」

黒髪を片手で払いながら、私は薄笑みを浮かべる。

「…ガーラ・エルウィンドという召喚師を知っているか」

「……」

名は聞かないでもない。

二百年ほど生きている魔女。

確か召喚魔法の腕は悪くないと聞いている。

その代わり他の魔術はイマイチで、私みたいに『再生』の魔術は使えないものだから、外見はすっかりお婆ちゃんらしいけど。

「で、そのガーラがどうしたって?」

「あくまでシラを切るか」

そう言って乙女はスラリと腰の得物を抜いた。

「あらあら…」

顔に似合わず粗暴で短気のようだ。

私は修内太に下がるよう合図しながら、尚も軽口を叩く。

「戦うならそれでもいいけど…私呪眼持ちだから手強いわよ?」

「その呪眼を返せと言っているのだ!」

ひと吠えして。

戦乙女は弾丸の如く斬りかかってきた!