「何で生徒会の仕事なんて手伝うのよ。修内太は生徒会役員じゃないでしょう?」

ようやく解放されて生徒会室から出てきた修内太に、私はまくし立てる。

「仕方ないだろ。生徒会長とは中学の時からの馴染みなんだ。頼まれたら断れないじゃないか」

嫌な顔一つせずに二つ返事で色んな奴の雑用を引き受けてしまう修内太は、いつもこうして暗くなるまで学校に残っていたりする。

それでもって、なるべく彼と行動を共にするようにしている私も、用もないのにいつまでも学校に居残る羽目になってしまうのだ。

「見なさいよ、時間。夜八時よ、八時!」

「何だよ、嫌なら先に帰れって言っただろ?」

平然と言ってのける修内太。

…全く。

誰のお陰で毎日ノホホンと平穏な生活送れていると思っているのだろう。

ここ最近、どこの誰だかわからない奴が、何十羽と使い魔の鴉を飛ばしていたというのに。

それ自体は大した力を持っていないから、私が呪眼でひと睨みしただけで消し飛んだけど…。

「……」

無言のまま校舎の廊下を歩く。

どうせ呪眼狙いの三流魔術師かなんかでしょうよ。

そのうち尻尾を掴んでとっちめてやらなきゃ。

デッドゲイトの魔女に手を出すと痛い目見るんだって事、よぅく教え込んでやらなきゃね。