白いTシャツに、薄いカーキ色の綿パン姿で早々に家を出た。



高山駅までは、自宅前の道を真っ直ぐ行けば突き当たる。

待ち合わせの喫茶店は、この道と駅前通りが垂直に交わるT字路の角にある。


その角を曲がった2件目が、今から行く本屋だ。

本屋といっても、個人経営の小さな店舗で、7時に開店し20時には閉店する。



通りすがりに喫茶店の中を覗いてみるが、まだ誰も来ていない。

まだ9時前だから当然と言えば当然だ。


喫茶店の角を曲がり、本屋に着いた。

いつ来てもお客さんの姿はない。それどころか、店内には店員の姿すら見えない。


私はお店の道路側に出されている週刊誌の棚で、芸能雑誌を読み始めた。


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