入学式から1週間が過ぎた。今日は土曜日で学校もない。と、言うか今日はバイト初日であった。
朝の10時出勤ということで、末芽はおそらく起きていないだろう咲良を起こしに咲良の家のチャイムを鳴らした。すると、出てきたのは・・・
「はい・・・?」
「あ」
末芽が見たその人物・・・それは、志乃だった。
ちょっと待て。何故お前が咲良の家にいるんだ
同じ屋根の下に何故お前がいるんだ
「な・・・な・・・!?」
何故お前がここにいるんだという言葉が心の中では何回も出てくるのに
声に出せない。
咲良に何もしてないよな!?よな!?
そもそも、人に言えないようなことをする奴は咲良の母親の鉄拳が下るはず
人に言えないようなことをする前に咲良と同じ屋根の下になんかいるだけでも鉄拳が下るはずなのに無傷な男を目の当たりにして
相当動揺してる自分を落ち着かせるように息を吸って吐いてを繰り返してるがはたから見ればちょっと過呼吸状態に見えた。
「だ、大丈夫?落ち着いて!」
志乃が末芽の背中をさすっている。
「な・・・んでお前が・・・ここに・・・いるんだよ・・・」
やっとその言葉が出た。
「え、と、僕は・・・」
すると、玄関から見える咲良の部屋の扉が開いた。
「志乃君・・・?どうしたの・・・?あれ?末芽?」
咲良は末芽を見てちょっとどころか明らか動揺していた。
「お前ら・・・どういう関係なんだ・・・よ」
答え次第によっては志乃を殴る覚悟で殺気立って聞いた。
すると、咲良は一生懸命何かを隠そうとして言葉を選んだらしく・・・
「言えない関係だよ!!」
その言葉で末芽は何かに刺されたんじゃないかってくらいの胸の痛みを感じた。
涙が出そうになったが、なんとか堪えた。
志乃はと言うと、咲良の一言に「咲良さんそれは・・・」としか呟いてなかった
そして、咲良はその瞬間背後から来た母親に頭をぐりぐりされた。
「さーくーらーちゃーん?」
「痛い!痛いよお母さん!」
咲良は涙目になっていたが、俺の方が泣きたいくらい心が痛いわ・・・
と末芽は少し鼻をすすった。
「女の子がそんなこと言っちゃだめでしょ?末芽勘違いしてるでしょ」
「だって、お母さんが『言っちゃダメ』って言ったから『言えない関係だよ』って言ったんだよ!」
「もっと言葉を選びなさい!」
「選んだもん!!」
咲良の母はため息をついて、末芽に申し訳なかったと謝った。
「ごめんね、末芽。本当にこの子成長しない子で・・・成長止まっててごめんね」
「成長止まってないよ!まだ身長伸びてるもん!」
「身体じゃなくて、精神の成長止まってるわよ」
その一言に志乃は笑いを堪えてた。末芽はと言うときょとんとしていた。
「末芽には言っとくべきだったわね・・・私再婚したのよ。それで、この子は双葉志乃君。再婚相手のお子さんなの。で、咲良と同い年だから・・・末芽とも同い年ね。咲良の苗字が変わってないのは学校が同じだから虐められたり、からかわれたりしないようにするためよ」
つまり・・・異母兄弟?ということか・・・?
末芽は理解した。だけど安心はできなかった。
血がつながってない兄妹で?同じ屋根の下で?一緒に暮らす?
そんなの・・・
咲良のことが好きな末芽にとっては許せなかった。
けど、自分が許せなくてもどうしようもない変えられない状況で。
すると、末芽の母はそんな末芽の心境を察したのか末芽に近づいて耳打ちした
「大丈夫。私は末芽の味方だから」
と。
その言葉、本当に信用していいものなのかはわからなかったが
末芽は少しだけ落ち着いた。
「で、末芽は今日は何の用なの?」
咲良の母が聞くと再び焦りが沸いてきた。
「咲良!早く着替えろ!今日バイト初日だぞ!」
それを聞いた咲良は
「あー!忘れてた!賄い!!」
と言って自分の部屋に戻って行った。
そんな娘を見て、母は
「末芽・・・本当に感謝だわ」
と一言言い、額に手を当てて深いため息をついた。
朝の10時出勤ということで、末芽はおそらく起きていないだろう咲良を起こしに咲良の家のチャイムを鳴らした。すると、出てきたのは・・・
「はい・・・?」
「あ」
末芽が見たその人物・・・それは、志乃だった。
ちょっと待て。何故お前が咲良の家にいるんだ
同じ屋根の下に何故お前がいるんだ
「な・・・な・・・!?」
何故お前がここにいるんだという言葉が心の中では何回も出てくるのに
声に出せない。
咲良に何もしてないよな!?よな!?
そもそも、人に言えないようなことをする奴は咲良の母親の鉄拳が下るはず
人に言えないようなことをする前に咲良と同じ屋根の下になんかいるだけでも鉄拳が下るはずなのに無傷な男を目の当たりにして
相当動揺してる自分を落ち着かせるように息を吸って吐いてを繰り返してるがはたから見ればちょっと過呼吸状態に見えた。
「だ、大丈夫?落ち着いて!」
志乃が末芽の背中をさすっている。
「な・・・んでお前が・・・ここに・・・いるんだよ・・・」
やっとその言葉が出た。
「え、と、僕は・・・」
すると、玄関から見える咲良の部屋の扉が開いた。
「志乃君・・・?どうしたの・・・?あれ?末芽?」
咲良は末芽を見てちょっとどころか明らか動揺していた。
「お前ら・・・どういう関係なんだ・・・よ」
答え次第によっては志乃を殴る覚悟で殺気立って聞いた。
すると、咲良は一生懸命何かを隠そうとして言葉を選んだらしく・・・
「言えない関係だよ!!」
その言葉で末芽は何かに刺されたんじゃないかってくらいの胸の痛みを感じた。
涙が出そうになったが、なんとか堪えた。
志乃はと言うと、咲良の一言に「咲良さんそれは・・・」としか呟いてなかった
そして、咲良はその瞬間背後から来た母親に頭をぐりぐりされた。
「さーくーらーちゃーん?」
「痛い!痛いよお母さん!」
咲良は涙目になっていたが、俺の方が泣きたいくらい心が痛いわ・・・
と末芽は少し鼻をすすった。
「女の子がそんなこと言っちゃだめでしょ?末芽勘違いしてるでしょ」
「だって、お母さんが『言っちゃダメ』って言ったから『言えない関係だよ』って言ったんだよ!」
「もっと言葉を選びなさい!」
「選んだもん!!」
咲良の母はため息をついて、末芽に申し訳なかったと謝った。
「ごめんね、末芽。本当にこの子成長しない子で・・・成長止まっててごめんね」
「成長止まってないよ!まだ身長伸びてるもん!」
「身体じゃなくて、精神の成長止まってるわよ」
その一言に志乃は笑いを堪えてた。末芽はと言うときょとんとしていた。
「末芽には言っとくべきだったわね・・・私再婚したのよ。それで、この子は双葉志乃君。再婚相手のお子さんなの。で、咲良と同い年だから・・・末芽とも同い年ね。咲良の苗字が変わってないのは学校が同じだから虐められたり、からかわれたりしないようにするためよ」
つまり・・・異母兄弟?ということか・・・?
末芽は理解した。だけど安心はできなかった。
血がつながってない兄妹で?同じ屋根の下で?一緒に暮らす?
そんなの・・・
咲良のことが好きな末芽にとっては許せなかった。
けど、自分が許せなくてもどうしようもない変えられない状況で。
すると、末芽の母はそんな末芽の心境を察したのか末芽に近づいて耳打ちした
「大丈夫。私は末芽の味方だから」
と。
その言葉、本当に信用していいものなのかはわからなかったが
末芽は少しだけ落ち着いた。
「で、末芽は今日は何の用なの?」
咲良の母が聞くと再び焦りが沸いてきた。
「咲良!早く着替えろ!今日バイト初日だぞ!」
それを聞いた咲良は
「あー!忘れてた!賄い!!」
と言って自分の部屋に戻って行った。
そんな娘を見て、母は
「末芽・・・本当に感謝だわ」
と一言言い、額に手を当てて深いため息をついた。