何気ない会社と家の往復の間に刺激を求めて始めた出会い系サイト。
通勤時間中の単なる暇潰しだ。

いや、腹いせに始めたというのが本当だ。
つい先日まで、形だけでも付き合っていた男と別れた原因は、この忌々しいサイトだった。
下記一文を見た瞬間の形容出来ない苛立ちを忘れるには、まだ日が浅すぎる。
《真剣にお付き合いができる子を探しています》

イニシャル、年齢、出身地、血液型、年収。
通販のカタログの品定めに似た感覚を覚え、違和感を感じながらも、ページをスクロールしていく。
指先の感覚だけで、数多の男を取捨選択していく。

《メッセージ1件》。