翌日の朝、窓の中から外を覗く。


晴れ。サンサンと照らされている太陽の下に生きているのに、私の心はなぜ晴れないのかすごく不思議。

下の人達に気づかれないように黙々と監獄へ行く準備を進める。


あ、でも私。一人じゃ無いんだ。

そこに、居場所と仲間があるんだ。


でも、そんなにすんなり終わる訳ないよな。
叶㮈は絶対なにか仕掛けてくる。

そうだ!あの場所に毛布を持って行こう!


負けない!私は一人じゃ無いから。
拳を強く握ってそっと家をでた。








【学校】


ざらざらざら


「……。」

何か靴箱から雪崩が…。
画鋲か………勿体無い。

ほんとこんな事だろうと思った。
気合いれて損した。
この画鋲持ち主に返そっかな。


ステステステ

ガラッ

私は昨日よりも、少々荒めにドアを開ける。
私は、昨日までの私じゃない。

そして、両手いっぱいの画鋲を掲げてこう言う。

「これ、誰の?」


周りがシンとなって、教室の後ろの方に固まっていた女子達が声を上げる。

「私達のよ?なに?わざわざそんなもの持ってきたの?」

その中でもリーダー的存在の子が私に話しかける。


「そう。こんなに大量の画鋲高かったでしょ?勿体無いし。お返しするわ。」


私は、そう言って彼女の手を取り、ザラザラと手の上に画鋲を落とした。

「…っ!?いたっ!」


握っては無いけどそれでも少し痛いのは分かってる。分かっててやってる。
それでも痛いのは少しだけ。

仲間に裏切られた私の気持ちなんてわかんないでしょう?



「おはよー!」

刹那。ガラガラとドアが開いてアイツらが入ってくる。
最初に挨拶したのは叶㮈だ。

「なになにぃー?何の騒ぎぃー?……萌ちゃん!?どうしたの!?」



気付いたか。
背後の青星も異変に気づく。

「みんな!萌ちゃんの周りにいっぱい画鋲が!」

みりゃわかるっつの。

「…あの子が……槇原さんがやったのよ!」
萌っていう子も、これ見よがしに罪を私に擦りつけてくる。

「…湖鳥羽が……?」

淳也が私を睨みながら口を開く。