この学校は基本青星が中心。

この学校に入ってくる人は、大体青星目当ての女子か、青星に入りたいというくだらない願望をもった男の子。
もちろん先生も青星の味方だ。
なんでもこの学校の殆どの教師が青星の先代らしい。

学校中を敵に回した私。
味方は誰一人いない。

ひとりぼっちの私がどこまで頑張れるかな。
壊れないように気をつけなくちゃ。


逃げ場がない。うちの学校は青星が中心だから屋上も幹部以上のメンバーと姫だけがはいれるようになっている。

廊下をウロウロしてみる。

一階、二階、三階と他の人に気づかれないように細心の注意をはらって見渡していく。




「……あった。」

見つけた。私の居場所。
この学校最上階にある三階の、階段から上がって左へ行く。突き当たって左の


「美術準備室……。」


美術室は二階の端に移動したので、必然的に準備室もその隣に。
だからここの美術準備室は名だけのもので、今は誰も使っていない。

ない。此処にしかない私の居場所。

私の唯一逃げることができる場所。


大丈夫。大丈夫。

1人で頑張れる。やってける。


理由なんか無いけど、今はそう思ってないとダメになっちゃいそうで。
自分が自分じゃなくなっちゃいそうで怖いから。


周りに気づかれないように控えめにドアを開ける。
カラカラと音を立てて鳴いたドアの向こうには



「……きれい。」


正面の窓から光がさして、教室が紅く照らされていた。
心のファインダーから覗くのは、蒼い空ともくもくな雲。

なんで、なんでだろ。
鼻の奥の方がツンとして、涙が溢れてきちゃいそうで。
それを必死にひっこめる。
そんな自分が虚しくなってくる。

「…なくなよ?」


!?
誰!?

なんせ此処には私しかいないと思ってたから、もし誰もいないとしたら独り言みたいに聞こえるのが怖くて声を出さずに探す。
まぁ、私の言葉なんて聞く人いないけどね。

「ここだよ。ここ。」