叶㮈は、可愛くて、いい奴だ。

いつも俺らの事を優先する。


湖鳥羽もそうだったんだが、決定的に、2人には何か違いがある。
しかしそれは簡単に分かるものではなく、俺たちを至極惑わせた。



結局出した答えは、インターネットの情報がある新しい方を信じる事だった。

下っ端も、幹部も、みんな俺が答えを出すのを待っていた。
まるで、「俺たちは言われたところについて行く、が、責任は当然お前が背負ってくれるよな?」とでも言われている気分だった。


下から大勢のやつが俺を見上げてくる。

彩斗たちともいつもは仲が良いが、やはりどちらも人間だ。


相手を信じきるというのはとても難しい。



ただ、俺はみんな同じところに立って話し合いたかった。

ひとりぼっちで考えた結果、叶㮈を選んだ。



その間、誰も助けてくれなかった。


俺は、自分がどうしたいのかわからなくなっていく。

それが、とてつもなく不安で、不安で仕方なかった。


湖鳥羽なら、俺と並んで歩いてくれたのに。

でも、俺はもう。




引き返せない_______