「…wing。
一つ注意事項があるから、これだけは絶対に守って。」
迷の真剣な目に、さっきまでの熱は一気に冷めた。
これはきっと大事な事なんだ。
「相手を殺しちゃいけないよ。」
…っ!!
「……な、に…言ってんのさ。迷。
ヒトゴロシなんて…する訳ないじゃん?」
…なに、そんな事するとでも思ってたの。
「………ほんとに…?」
…はは。
まじで?
「ほんとだよ。…あ、あたし今日用事あるから帰るね。」
さっさとカバンを引っ付かんで美術準備室を後にする。
まじか。まじか。まじか。
いや、ちょっと待ってよ。
なに?笑
迷が折角教えてくれたこの技をコロシに使うと思った訳?
ふざけてんなよ、迷。
あたしを、そんな奴だと思ったの?
確かに彼奴ら恨んでるけど、コロサナイよ。
迷が、折角教えてくれたこの知識。
一つ一つにちゃんと重みがあって。
軽々しく反撃に使うなんて考えてないよ。
ねえ、迷。
しょうがない事だとは思うんだけどさ。
あたしをそんなしょうもない奴だと思ってたの?