ずるい、ずるい。私はずるい。
こんな所でなくなんて。
生きているなんて。
こんなにも、幸せを願ってしまうなんて。
「wing。僕怒ってる。怒ってるんだ。自分自身に。」
……え。
「もっと早くwingを見つけていればこんな事にはならなかったのに!
僕がwingを見つけられなかったから、だから君はこんなに傷ついてるんだ!!
僕の所為だ…。ごめん、wing。ごめん……。」
何で…。何で。
もっと怒ってよ。貶してよ。
ほら、他のみんなみたいに『死ねばいいのに』って言うんでしょう?
私が嫌いでしょ?ねぇそうなんでしょ?
私が悪いのに、全て自分の責任にして守ってくれる人がいるのに。
馬鹿だ。私、本当に大馬鹿だ。
分からなかったものが多すぎる。
離れて知ったものが多すぎる。
話して知ったものが多すぎる。
知ろうとしなかった私を、運命は潰していく。
「そんな事…言わないでよ。」
自分を落とさないで。
「私を、見つけてくれたじゃんか!!!」
経緯はまだわかってないけど、私を見つけてくれたんでしょ?
此処まで連れてきてくれたんでしょ?
ほんとに……
「ありがとう。」
感謝してるよ。
あれから何時間も経った。
夜も更けて、美術準備室に二人。
こんな時間まで家に帰らなかったの初めてだ。
なんかちょっと変な感じ。
お風呂とか、寝るところとかそんな事は考えていない。
ただ、右手に繋がれた手を離す事が出来ずにいるんだ。