ねぇ叶㮈。私、叶㮈に聞きたいことが沢山あるんだ。




「何で、私を裏切ったの?
何で青星じゃなきゃいけなかったの?
ほかの族じゃダメだったの?
それで幸せって感じてるの?
私が嫌いなの?
死んで欲しい?」

浮かんでくる質問を次々と叶㮈の前に並べていく。


「湖鳥羽ちゃ…「…なんで、殺してくれないの?」



叶㮈の呼び声も無視して最後まで言い切った。

1番の疑問がそれだった。



なんで、殺してくれないんだろう。
というか、何で殺さないんだろう。

私が嫌いなら殺せばいいのに。


質問を重ねるたび沈んでいく叶㮈の顔色に気付く。


「お前は…。」


「…なに?淳也。」


「どれだけ人を傷つければ気がすむんだ!!!」


そういって私のお腹を思い切り蹴る。


暴走族の総長に本気で蹴られた私のお腹は悲鳴をあげ、私自身も教室の端から端まで吹っ飛んだ。


「……あー、なにこれ、新しいアトラクションか、なんか?」


痛すぎて冗談しか言えない。

痛い、痛い、痛い。
すごい、痛い。



流石の野次馬や幹部もビックリした眼でこっちを見ている。


「いい加減にしろ。これ以上俺を失望させんな。」と言いながら此方に近づいて来る。


若干蹲った私を見下ろしながら彼はこう言った。








「俺はお前を信用した事はないし、お前が好きだと思った事なんて一度もない。

覚えとけ。


お前なんか眼中に無かったんだよ。裏切り者。」











は、なにそれ…。

「それは、酷くない?」

自嘲気味に笑ってみせる。



「お前が叶㮈にした事より何倍もマシだ。」




だ、か、ら、さ!
「何もしてないっつってんでしょうが!!!いい加減にしろ!
ウダウダうだうだうっさいんだよ!

そんなに人が信じられないの!?
ほんっとイライラするんですけど!!!」


なんなのさ!人の事馬鹿にしすぎじゃないの!?


急に怒り出した私を『は?何此奴。』みたいな顔で見ているあの人達を無視して教室を出た。