でも、だからって零斗ん家にお世話になるわけにはいかないよね。

夜くらい一人でも何とかなる。



「帰るよ、ごめん、ありがとね」



零斗は一瞬顔をしかめたけど「そうか」と呟いて「家まで送る」と言った。


正直、ちょっと怖かったから助かった。



零斗ん家のリビングに行くと零斗の弟の駿ちゃんが駆け寄ってきた。


「あやめお姉ちゃん、大丈夫?」


駿君はギュッと腰あたりに腕をまわして抱き付いてくる。


「大丈夫よ、駿ちゃんにも心配かけてごめんね」


「僕はいーのっ。あやめお姉ちゃんが元気でよかった!」



なんて可愛い子なんだろうっ!

今までのことなんか吹っ飛んじゃいそう!