警察のヤツらは、事情を説明したと言うのに何にもしてくれなかった。

駆け落ちは珍しくないと言って笑われたうえに、俺たちが悪いと責めてきた。

もうあいつらには2度と頼らない。

俺は心の底から誓ったのだった。

事情を聞いた雄大は、
「それはひどい話だな」

やれやれと言うように息を吐いた。

「わかった。

時間はかかるかも知れないけど、必ず2人を捜し出す」

「ああ、頼んだよ」

探偵事務所を出た時、黒崎さんから電話があった。

「双子の妹さんの居場所がわかりました」

「ありがとうございます。

明日辺り、彼女に話をしに行きましょう。

だけど、朝貴は失踪をしたと説明しておきましょう。

駆け落ちしたって言うことを知ったら、彼女はショックを受ける可能性があるので…」

 * * *