「それに娘さんは20歳を越えているんでしょ?

とっくの昔に20歳になった子供に対して過保護なのはどうなんでしょうかね?

娘さんが出て行った原因はあなた方にもあるんじゃないですか?」

「そ、そんな…!」

警察官に責められた黄瀬母娘は何も言い返すことができなかった。

「愛する者同士が一緒にいることは当たり前のことじゃないですか。

そうやってあなたたちが2人の交際に反対したから、2人は出て行ったんじゃないですか?」

バカにするように言った警察官に同意をするように、周りの警察官もクスクスと笑い出した。

話をしたのに、警察は協力をしてくれない。

協力どころか、捜索届も出してくれない。

警察官たちの笑い声を躰で受けながら、俺たちはその場から立ち去ることしかできなかった。