「もしかしたら、お2人は駆け落ちをされたんじゃ…?」

呟くように言った黒崎さんに、
「えっ…?」

「そんな…!?」

俺と聡子さんと糸子さんの声が重なった。

「あ、朝貴が駆け落ちって…!?」

そんな訳がある訳ないと言いたかったけど、現に朝貴と静絵は同じ日に旅行に行くと言っていなくなっている。

そのうえ静絵のスマートフォンには朝貴の名前があった。

これはどう考えても、2人は駆け落ちをしたと言った方が正しいかも知れない。

「と、とにかく…!

急いで警察へ相談しましょう!

捜索届を出すようにとお願いをいたしましょう!」

興奮気味に言った糸子さんに、俺たちは首を縦に振ってうなずくと朝貴の部屋を後にした。