スマートフォンは電源が切られているのか、ボタンを押しても画面に何も表示されなかった。

白い紙を手にとって開いて見ると、
「――はっ…?」

そこにあった文字に、俺は目を疑った。

“探さないでください”

間違いなく朝貴の字で、そう書いてあった。

「黒崎さん…」

俺は黒崎さんの名前を呼ぶと、彼に紙を見せた。

「ど、どう言うことですか!?」

黒崎さんは驚いたと言うように俺に聞いてきた。

「俺もわかんねーよ…」

一体、どう言うことなんだよ…。

紙に書いてある文字を一緒に見た黄瀬母娘は絶句している。