「あの内容の方を確認してもよろしいでしょうか?」

そう聞いた俺に、
「どうぞ」

聡子さんが首を縦に振ってうなずいた後、俺にピンクの紙を渡した。

2つ折りにされているその紙を開けると、
「えっ?」

俺は目を疑った。

“好きな人と一緒に生きます 

さようなら”

キレイな字で書かれたその言葉に、俺は彼女たちを見た。

「これは一体…?」

そう聞いた俺に、
「お手伝いの者から聞いた話によりますと、静絵は5月4日と5日に友達と旅行に行くと言って家を出て行きました」

糸子さんが答えた。