黒崎さんと一緒に朝貴が住んでいるマンションを訪ねると、
「あれ?」

朝貴の部屋の前に、着物姿のおばあさんと淡い黄色のワンピースをきた中年女がいた。

「白石さんのお知り合いの方でしょうか?」

黒崎さんが言った。

「さあ…」

俺は首を傾げることしかできなかった。

俺は彼女たちに歩み寄ると、
「すみません、どちら様でしょうか?」
と、声をかけた。

「あなた、白石朝貴さんですか?」

そう聞いてきたのはおばあさんの方だった。

「いえ、俺は彼の仕事の関係者です。

彼が職場にこないので、何かあったんじゃないかと思って訪ねてきたんです」

質問に答えた俺に、おばあさんと中年女は顔を見あわせた。