朝貴は無事に短大を卒業して、栄養士の国家試験に合格した。

彼と一緒に店から独立した後、俺は『ラグタイム』をオープンさせた。

最初は3人だけの営業で、客もあまりこなかったから大変だった。

だけど地道に宣伝活動をしたり、雑誌やテレビの取材に応じたと言うこともあり、『ラグタイム』は繁盛した。

そこへ朝貴の紹介で料理教室の先生だった武人とバイト募集の広告を見て店を訪ねてきた翼がやってきて、『ラグタイム』はさらに繁盛した。

この調子なら、近いうちに2号店をオープンさせようと思った。

まだ朝貴に直接話をしていないけど、彼に2号店を任せようと思った。

何もかも順調だと思っていた。

だけど、状況は変わってしまった。

朝貴が駆け落ちをしたことによって、順調に送っていた日々が壊れてしまった。