弟ができたらこんな感じなのだろうか?

朝貴の様子に、俺はそんなことを思った。


いつの間にか俺は朝貴のことを“白石くん”ではなく“朝貴”と、朝貴も俺のことを“大輔さん”と名前で呼びあうようになった。

仕事だけじゃなく、プライベートでも俺は朝貴と一緒にご飯を食べたり、遊びに行くようになった。

そんな俺に転機が訪れたのは、冬のある日のことだった。

「独立、ですか?」

店長から独立の話を聞かされた俺は驚きのあまり聞き返した。

「考えてくれるか?」

そう聞いてきた店長に、
「はい!」

俺は首を縦に振ってうなずいた。