「でも料理を活かせる仕事なら、シェフがあるじゃないか。

どうして栄養士になりたいと思ったんだ？」

そう聞いた俺に、
「妹は中学高校時代にバレーボール部に所属していたんです。

俺は彼女の役に立ちたいと思って考えながら料理を作っていたんです。

俺、運動がダメなんで」

朝貴は笑いながら答えた。

「高校の時に父親が栄養士って言う職業があるって教えてくれたんです。

自分で調べて見てわかったことなんですけど、栄養士っていろいろな種類があるんですよ。

ペット栄養士とか病院栄養士とか学校栄養士とか」

「へ、へえ…」

あまりにも次元が違い過ぎる話に、俺はただ感心するしか他がなかった。