「お前、もう帰れや」
「ぶっ! やっぱ気にしてんだ?」
「してへんわっ、ボケ!」
「ぶぶぶっ」
な、なんか……璃久が押されてる?
いつもとは違う璃久の一面に驚きながらも
こんな風に言い返したりするんだ。
と、見たことのない姿にドキッとしてしまう。
谷君を睨んだ後、
コンビニの中へと入ってしまった璃久を
追いかけようと谷君に頭を下げた瞬間。
「あ、神楽の彼女さん!」
と呼び止められてしまった。
「え? 何?」
「あいつ、学校で髪の毛染めた事からかわれて拗ねてるんですよ」
「そなの?」
「黒にしたら、すげぇ幼くなったじゃないっすかー」
「あー、だね」
「そしたらクラスの奴等が、彼女の弟に間違われるぞって冗談で言ったら超不機嫌になったんすよ」
話しながら笑う谷君に、
あたしはもっと聞きたくて
「璃久って、学校であたしのこと何て言ってるの!?」
そう迫ったところで、
璃久の声がした。