電車内は僕たち以外に、乗客はいなかった。
というか、だんだんいなくなっていった。
僕の自宅は、学園で一番遠いから最終的に僕しか残らない。
はず、だった。
はずだったのに、なんで税所亜樹が隣に座ってるのだろう。
「横山くんはどこまで乗って行くの?」
「…終点の、六道大橋まで」
「じゃああたしは、それの2個前の野木丘大学前で降りるわ」
「じゃあってなんすか」
「いつも、あなたの3個前で降りるの。
でも今日はあなたの喋り相手になってあげるから、一つ先まで乗っていくわ」
別に全く嬉しくないんだが。
なんで上から目線なんだ。