輝夜との幸せな夜は
それからも続いた。


他愛もない話をしたり
じゃれ合ったり


好きと言ったり


キスをしたり


抱きしめられたり


ずっと側に居たい
そう思いながらも


私は、フレア王の言葉が
気になっていた。




「カグヤ、出来るだけ早く
戻ってくれ」



輝夜は「分かりました」と
返事していたのに


私が甘えてしまうから
戻れないでいるのかな。





「月ノ瀬、何ボーッとしてる
授業中だぞ!」


『…えっ?!…は…はいっ
すみません!』


先生の声でふと我に返った。


輝夜のことで頭がいっぱいで
目を閉じると、輝夜の顔が
浮かんできてしまう。




あっという間に時間が過ぎ
部活動の時間になった。



寒空の下でも元気なお花達。


その健気さが愛しいから
心を込めて手入れをする。


また、生まれ変われるなら
今度はお花になりたいな。


でもやっぱり、また
輝夜に出逢って恋をしたい。



輝夜が…大好き…



今日もスズランちゃんは
体育館かな?


あれから毎日、体育館で
嘩純くんのバレーを見ている。


スズランちゃんは
私を見つけると
嬉しそうに飛んできた。


『スズランちゃん』


私が声を掛けると

淡いピンク色の羽を
ヒラヒラさせた。



『……あっ!?』



スズランちゃんの羽から
小さな粒が4、5粒、溢れ落ちた。



『何だろう?…種?』


私はそれをティッシュに包み
ポケットにしまった。